お金2.0 第3章 価値主義とはなにか

P148~207

 

資本主義では、手段だったはずの「お金」が目的化してしまいました。

 

世の中には、消費経済と資本経済があり、身近な消費経済はお金の流通の一割にしか満たないです。

モノなどが介在する消費経済と、お金が直にやり取りされる資本経済とでは、流通のスピードが全く違うからです。

だが、資本経済は消費経済から派生する金利や手数料によって成り立っているため、消費経済が少しでも変化すると大きな影響を受けます。

 

今は、資本経済の割合が増えたり、ミニマリストが出てきて、お金が滞留してしまい、お金の価値が相対的に下がっています。

 

そこで、注目されるのがお金にはならない物の価値です。

 

価値には、

①流用性としての価値

…役に立つか。リターンがあることが前提。

②内面的価値

…内面的にポジティブな影響を与える。

③社会的価値

…社会全体の持続性を高める。より良い社会を作ろうとする。

の3種に分かれます。

 

以前は、可視化できる①の価値のみが重要視されていましたが、インターネットの普及で②③も可視化することができるようになりました。

 

そして、内面的データをトークン化することで、比較も可能になりました。そして、そのトークン内で自分自身の価値をどう保存するかが大切になっています。

企業としては、このデータが大きな価値を生み出しているとも言えます。

 

誰もが簡単にトークンを作れるようになったため、多くの経済システムができます。だから、自分の価値観が合わなければ、別の経済システムに行けばいいのです。多くの経済システムがあることで、選択肢が多くなりました。

よって、今までひとつの経済システムで失敗するリスクに恐れていた人も積極的に行動することができます。

(例えば、お金を儲けることで成功しようとしていた人がもし失敗しても、別のフォロワーに価値がある経済システムに移動すれば、新たに価値を形成することができます。)

 

ですが、人々はこのシステムに違和感を覚えます。

その理由は、評価や信用と注目や関心の区別ができていないからです。

 

お金2.0 第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ

経済の変化を語る上で「テクノロジー」は不可欠と言えます。

では、まずテクノロジーとは「点」ではなく、社会問題等を解決するために生まれたものなのか、その「原理」を理解し、最新のテクノロジーはその問題にどう変化を起こすのか、の「現象」=『線』としてとらえることが重要です。(全てのテクノロジーは派生していて、繋がりがある?)

 

現在は、情報や権力が集中する「中央集権化」だったものから、「分散化」に変化しています。

かつては、情報が偏っていて、リアルタイムにみんなが共有することが不可能だった為、「ハブ」となるモノが情報を握り、権力を持っていました。ですが、インターネットに繋がれたスタートフォンの普及によって情報が常に繋がることによって、何かに集中させる必要がなくなりました。

仲介をすることで価値を見出せなくなった現代では、独自に価値を発揮する経済システムを作ることができる存在が力を持ちます。

 

シェアリングエコノミーやトークンは全て、独自の経済システムを作っていて、性質やルールも自分で自由に作ることができます。

こうした経済システムが出来て行くことで、「分散化」「自動化」が進みます。

「分散化」=管理者がいない→みんなで管理→みんなでより良くしようと工夫する

こうすることでできた経済システムは、ひとつの生き物のように自動的に回って行くでしょう。

 

このように、「誰もが」「自由に」経済を作れるようになり、『経済そのものの民主化』になっています。

かつては国家が経済を作っていましたが(おそらく情報のハブであったから)、今は誰でも作れる時代です。

 

これは、昔グーテンベルク活版印刷技術を発明したことにより、一部の権力者のみが握っていた「知識」を書物としてみんなに共有したことで文明が進んだことに似ています。

ですが、現代はその「知識」さえもインターネットの普及によって、「誰でも」「リアルタイムに」得ることができるようになった為、価値は無くなりました。

(昔はいかに情報・知識を集めるかが力、

印刷技術によって、知識が共有された。

だが、本とか有形商材だった為、ある程度容易に手に入るようにはなったけど、全員にリアルタイムではなかった。

現在はインターネットの発達で、スマホさえあれば、誰でもリアルタイムで情報を得ることができるようになった。)

よって、これからはこの「知識」をどう活用して新しい価値を生み出すかが重要になります。

お金2.0 第1章 お金の正体

経済と自然の根底にある同一システム〜ダ・ヴィンチには見えていた“ひとつの世界”

P94~108

 

経済と自然の仕組みが同じであると判明したため、自然の構造をさらに考察します。

自然のバランス構築の要因は「極端な偏り」、「不安定性・不確実性」のほかに

自発的な秩序の形成

②エネルギーの循環

情報による秩序の強化

がある。(ただし、情報が必要なのは、選択の可能性がある場合のみ)

 

3つの特徴は無数の個が集合してひとつの組織を作る生命・細胞・国家・経済・企業まで全てに当てはめることができます。

この特徴に当てはまらない組織は崩れます。ex)潰れる会社

そして、全てはマトリョーシカのように入れこのような構造になっています。

 

かつてのマルクスの「社会主義」のように自然のルールからかけ離れた仕組みほど悲劇を産みやすいです。

循環しない日本の社会は変わらなければ、新陳代謝が悪くなり、おかしくなるでしょう。

 

そして、人間の脳も経済と同じような構造をしています。

自然も脳もエネルギーが循環する中で物事を複雑化していますが、全てはもともと同じ「出発点」にあった存在と言えます。

 

ダ・ヴィンチは「万能人」と呼ばれ、多くの分野において才能を発揮しましたが、筆者は「彼は全て同じものに見えていた」という仮説をたてました。

だから、彼はこの世界のことを理解する「1つ」のことに長けていた天才だったのではないでしょうか。

似た人物にライプニッツがいます。

彼は、既存の様々な学問を統一しようとしていました。多くの学問は、切り口は違うが同じものを説明している学問だと認識していたのではないでしょうか。

ですが、あまりにも難しかったため、普及しませんでした。

(筆者はライプニッツ自身も考えていることの1割も言語化できていないと書いているが、これは天才を殺す凡人では?https://newspicks.com/news/2867727/

 

 

全ての事柄をパターン化することで、未知の事態にも対応できるようになります。

→具体から抽象度を上げる

 

ただ、過度のパターン化だけでなく、仮説が思い浮かんだら、実際に当てはめて実感することが大切です。

→抽象度を上げてから、具体に落とし込む。

 

現代は様々なテクノロジーがあるため、私達はダ・ヴィンチ達よりもはるかに有利であると言えます。

お金2.0 はじめに

P3~13

 

フィンテックや仮想通貨などの登場で、「経済」のあり方が変わろうとしています。

 

この本では、

「お金」とはそもそもなんなのか

「新しい経済」とはどんなものなのか

について書かれています。

 

筆者は生まれた頃からお金が無いことを自覚していて、生まれた環境の違いで人生が決まることに疑問を持っていました。

そこで、自分を苦しめる「お金」とはなんなのか

現在の「経済」とされている「資本主義」の仕組みより良い仕組みはないのか

経営を通してお金や経済についての仮説・検証を繰り返してより良い仕組みを自ら作ろうとしています。

 

今まで「お金」によってかけられていたフィルターを外して人生を見つめ直すことで、「自分はなぜ生まれてきて、本当はなにがしたいのか」という本質的なテーマに向き合うことで、可能性を広げられると信じています。

今まで「障害」になっていた「お金」を可能性を広げる為の「ツール」として使いこなしてほしい。